歯並びの矯正は、美しい笑顔を手に入れるためだけでなく、噛み合わせや口腔内の健康を改善するためにも重要です。
むし歯や歯周病がある場合、矯正治療を開始する前に治療することが必要です。
この記事では、矯正治療を行う前にむし歯や歯周病を治療する必要性と、その手順について詳しく解説します。
目次
■治療の手順
◎カウンセリング
矯正治療で最初に行うのは、歯科医師によるカウンセリングです。
ここでは、患者さまの希望や治療の目的を詳しく確認します。
◎精密検査
次に、精密検査を行います。
レントゲン撮影や口腔内写真、歯型の作製などを通じて診断を行います。
このステップで、むし歯や歯周病の具体的な状態や、治療の必要性を評価します。
◎事前処置
むし歯や歯周病が発見された場合は、まずそれらの治療を行います。
むし歯治療では、むし歯部分の除去と詰め物やクラウンの装着などが行われます。
矯正治療後、噛み合わせが変わることが予想される場合は仮の被せ物をすることもあります。
歯周病治療では、歯石の除去や、必要に応じて歯周ポケットの洗浄、さらには外科的処置が行われることもあります。
また、親知らずを抜く時はこの段階で抜くことが多いです。
◎矯正治療
むし歯や歯周病が完全に治癒した後、いよいよ矯正治療が始まります。
ブラケットやマウスピースを装着し、定期的な調整を行いながら、理想的な歯並びを目指します。
◎保定期間
矯正治療が終了したら、きれいな歯列を安定させるために保定装置を使用します。
保定期間中も定期的な検診が必要で、むし歯や歯周病が発生するのを防ぐためのケアが続けられます。
■なぜ事前にむし歯治療、歯周病治療を行う必要があるの?
◎むし歯治療
むし歯があると、矯正装置の装着が困難になる場合があります。
また、矯正治療中にむし歯が進行すると、装置を外して治療を行う必要が出てくることがあり、治療が中断されることになります。
これを防ぐために事前にむし歯治療を行います。
◎歯周病治療
歯周病は、歯を支える歯槽骨が吸収されていく病気です。
歯周病が進行した状態で矯正治療を行うと、歯槽骨の吸収がさらに起こってしまい、最悪の場合、歯を失ってしまいます。
■もし治療中にむし歯や歯周病になったら
◎そのまま治療が可能なケースも
矯正治療中にむし歯や歯周病が発生した場合でも、軽度であれば矯正装置を外さずに治療できる場合があります。
歯科医師と相談しながら、適切な対応を取ることが重要です。
◎治療の中断
むし歯や歯周病が重度の場合は、矯正治療を一時中断し、これらの治療を優先する必要があります。
治療の中断は治療期間を延ばすことになりますが、最終的な治療結果を考えると、必要な措置といえます。
■治療中にむし歯、歯周病にならないように
◎セルフケア
矯正治療中は、口腔内のセルフケアが非常に重要です。
毎日の歯磨きやフロス、口腔洗浄剤の使用を徹底し、矯正装置の周りに歯垢(プラーク)がたまらないように心がけましょう。
◎プロフェッショナルケア
定期的な歯科医院でのクリーニングも欠かせません。
プロフェッショナルケアでは、毎日のセルフケアでは取り切れない歯石や歯垢(プラーク)を除去できます。
歯科医師や歯科衛生士の指導を受け、適切な口腔ケアを継続することが大切です。
【むし歯や歯周病がある場合は治療してから矯正を】
むし歯や歯周病がある状態で矯正治療を開始すると、治療効果の低下や口腔内の健康リスクを高める可能性があります。
矯正治療をスムーズに進め、最良の結果を得るためには、まずこれらの治療を行ってから、矯正治療に入る必要があります。
むし歯や歯周病の治療と矯正治療を統合的に考えて治療を進めると、口腔内の健康を守りながら美しい歯並びを手に入れることができます。
総合的な矯正治療を受けたい方は、ぜひ1度当院にご相談ください。