矯正を開始する年齢に特に決まりはありません。
昔は、矯正は子供のものといわれていましたが、最近では矯正治療が成人の間にも広がっています。
子供と成人の矯正は、それぞれ注意点が違います。
それぞれどのようなタイミングで矯正治療を始め、どのような点に気をつけて矯正治療を受ければ良いのでしょうか。
■矯正治療開始の時期とは
1期治療
矯正治療のうち子供の顎の成長を利用した矯正を、1期治療と言います。
これは永久歯の萌出し始めるタイミングから、永久歯列の完成までの期間に行われます。
>この時期は顎の成長のピークの時期に当たっています。
そのためそれを促進するなどして、歯を並べる治療を行います。
顎の成長のピークは永久歯列完成の小学校6年生頃に終わります。
そのためその後もし顎の矯正を行いたい場合は、他の治療法を選択することになります。
2期治療
2期治療とは、1期治療の終了後、顎の成長を利用せずに歯を並べる期間のことをいいます。
矯正方法は特に成人の方法と変わらず、ワイヤー矯正やマウスピース矯正が選択されます。
顎の成長によって歯を並べることができない期間のため、もしスペースが足りない場合は抜歯するなどして歯を並べる必要があります。
大人の治療
大人の、骨格の矯正を必要としない治療は、2期治療と同じ治療法になります。
外科処置になる場合
大人になってどうしても顎の矯正を行いたいという場合は、外科処置の適応となります。骨格性の上顎前突、下顎前突などにおいて歯を並べただけではきれいな歯並びを手に入れられない場合に適用される方法です。
■いつ始めればいいの?
子供
子供の矯正治療は、は永久歯放出が始まってから行うのが一般的です。
それ以前に治療を行っても、なかなか全体のコントロールが難しいケースもあります。
もし子供の歯並びが気になる場合は、永久歯萌出開始頃に歯科医院に相談すると良いでしょう。
大人
大人の場合は、特にいつ開始すれば良いということはありません。
小さい頃気になっていたけどどうしても矯正治療ができなかった、結婚式いや成人式など人生の節目となるイベントがある、などの場合に矯正治療を始める方が多いようです。
マウスピース矯正だと、お仕事中にしていても気づかれにくいため、更にいつ始めても問題がない、という場合も多いようです。
■年齢別の注意点
子供は成長による変化
年齢別にそれぞれ注意点もあります。
子供は早めに矯正治療を終了してしまうと、その後さらに成長が起こり、歯並びが再び元に戻ってしまう可能性も考えられます。
また、成長に応じて矯正の期間が延びてしまうこともあります。
そのため、あまりにも早すぎる矯正の開始も、良いともいえません。
また、親知らずが生えてくるタイミングで歯並びが変わってしまうお子様もいらっしゃいます。
お子様の矯正を行う時は、成長による変化がある可能性も考えて治療を行うと良いでしょう。
大人は歯槽骨の吸収
一昔前まで矯正が子供のものといわれていたのは、ブラケットによる審美面の問題が原因との一つとなっています。
しかしもう一つの原因として、大人は子供と違って歯槽骨の増生が遅く、吸収が起こりやすいというリスクがあるという理由もあげられます。
また歯周病がある方は、矯正治療によって力がかかる歯周病を悪化させてしまう原因にもなります。
大人の矯正治療では歯槽骨の吸収が起こっていないかきちんとチェックしながら治療を行うことが大切です。
【それぞれの注意点を知り快適な矯正を】
矯正治療は現在、どの年齢の方がどのタイミングで始めても良い治療となりました。
当院では、お子様の矯正から、ずっと気になっていた成人の方の歯並びまで、様々な矯正治療に対応しています。
歯並びのお悩みがある方はぜひご相談ください。