矯正治療は歯並びに注目されがちですが、実はあごの位置が正しい状態になることも、とても重要です。
あごの位置が良くない場合、歯並びが整っても噛み合わせに問題が残ることがあります。
この記事では、正しいあごの位置の重要性や、全顎的な矯正治療で歯並びと噛み合わせを同時に改善する方法について詳しく解説します。
目次
■正しいあごの位置とは?
◎あごの役割と理想的な位置
あごは食べ物を噛む、話す、表情を作るなど、日常生活で重要な機能を担っています。
正しいあごの位置とは、お口を閉じた時に顎関節に無理がかからない状態にあることを指します。
これを中心位と呼びます。
また、上下の歯を噛み合わせた時にその面積が最大になる状態のことを中心咬合位と呼びます。
正しく健康なあごの位置とは、この「自然にお口を閉じた時に顎関節に無理のない状態で(中心位)」・「上下の歯がしっかり噛んでいる(中心咬合位)」という二つが一致している状態のことを指します。
この状態にあると歯並びが整いやすくなり、噛む力が均等に分配されるため、口腔全体の健康が保たれます。
また、口を開閉する際に痛みや異音がなく、顔の輪郭がバランスよく整っていることも理想的なあごの特徴といえます。
■あごの位置と歯並びの関係
◎歯並びを整えるだけでは不十分な場合
あごの位置が良くないまま歯並びを整えても、根本的な噛み合わせの改善にはつながらない場合があります。
例えば、あごが後退している場合に歯を前方に整えただけでは、顎関節に負担がかかることがあります。
また、あごが左右にずれている場合は、歯並びを改善しても顔のバランスや機能が十分に回復しない可能性があります。
あごの状態と力のかかり方が良くないと、後戻りの原因にもなります。
■あごの位置を正すための治療法
◎矯正治療によるアプローチ
矯正治療では歯の位置だけでなく、あご全体の動きを計画的に調整することが可能です。
例えば、インビザラインなどのマウスピース型矯正装置は、噛み合わせの改善を含めた細かな調整が可能で、あごの位置を正しい場所に導く手助けをします。
あごの位置が良くない状態が比較的軽度な場合は、マウスピース矯正などで改善が可能な場合もあります。
◎外科的治療が必要な場合
骨格性の問題が大きい場合は、マウスピース矯正などの矯正治療だけでは十分な改善が難しいことがあります。
このような場合、手術など外科的治療を併用することで、あごの位置を根本から整えることが必要です。
外科治療と矯正治療を組み合わせることで、審美性と機能性の改善が期待できます。
■日常生活で意識すること
◎姿勢の改善
あごの位置は日常生活での姿勢とも密接に関係しています。
長時間のスマートフォンやパソコンの使用で猫背になると、あごが後退しやすくなるなど、リスクは様々なところにあります。
正しい姿勢を意識し、あごに余計な負担をかけない生活習慣を心がけることが大切です。
◎噛む癖を見直す
片側だけで食べ物を噛む癖があると、あごの働きが偏り、噛み合わせが悪化する原因になります。
食事の際には両側で均等に噛むよう意識しましょう。
【あごの位置は歯並びの改善に密接な関係がある】
正しいあごの位置は、歯並びと密接な関係にあります。
また、それだけでなく全身の健康にも深く関わっています。
あごの位置が良くない場合、歯並びを整えるだけでは十分な結果が得られないことがあります。
マウスピース矯正だけで改善が難しい場合は、外科的治療を検討するなどの可能性があることを知っておきましょう。
矯正治療を検討する際は、あごの骨格も考慮してくれる歯科医師を選ぶことが大切です。
正しいあごの位置できれいな歯並びを目指す方は、ぜひ当院にご相談ください。