成人矯正とは成長が止まり、歯やあごの骨の発達が安定した後に行う矯正治療を指します。
年齢に明確な上限や下限はなく、成長や歯の状態に応じて決まります。
今回は、成人矯正の特徴や、どのような年齢層に向いているのかについて詳しく解説します。
目次
■成人矯正とは?
◎18歳頃から成人矯正と考えてもよい
子どもでマウスピース矯正やブラケット矯正を行う時期となる第Ⅱ期も、行う治療は成人のものと一緒ですが、まだ小児矯正と呼ばれることも少なくありません。
では、何歳からが成人矯正なのでしょうか。
小児歯科から成人用の一般歯科に切り替わる年齢はだいたい18歳頃となります。
明確な基準はありませんが、成人矯正とは18歳以後からを指すと考えれば良いでしょう。
あごの骨の成長もその頃には終了すると言われています。
◎上の年齢制限はある?
成長期が過ぎていれば、大人になってからでも問題なく矯正治療を行うことが可能です。
成人の方の矯正治療は、20代から30代はもちろん、40代以降でも行われるケースが増えています。
このように、成人矯正に上の年齢制限はありませんが、できれば治療を早めに始めることが推奨されます。
歯や歯肉の状態が良好なうちに治療を始めることで、より効果的な治療が期待できます。
ただし、歯の健康状態が整っていれば、40代や50代でも治療が可能です。
■それぞれの矯正の違い
◎小児矯正(Ⅰ期)ではあごの成長をコントロール
小児矯正(Ⅰ期)は、あごの成長をコントロールしながら治療を進めます。
あごの骨が柔らかい成長期の子どもは、あごの形状を調整したり、歯の移動をしたりという治療が行いやすいため、骨の成長をサポートしたり、舌を正しい位置に直す訓練をする装置を使用することが一般的です。
このため、小児矯正を行っておくと将来的に歯が正しい位置に生えやすくなる効果が期待できます。
◎小児矯正(Ⅱ期)と成人矯正は歯の移動に集中
小児矯正(Ⅱ期)と成人矯正では、あごの骨の成長が完了しているため、あご自体を大きく変えることは難しいです。
そのため歯の移動に焦点を当て、歯列を整えることで噛み合わせを改善します。
例えば、インビザラインやブラケット矯正など、患者さまに合った矯正器具を使って、歯を正しい位置に動かす治療が行われます。
■成人矯正のメリットと注意点
◎審美的な改善が期待できる
成人矯正の大きなメリットは、歯並びが整うことで審美的な効果が期待できる点です。
歯並びが改善されると、笑顔に自信が持てるようになり、全体的な印象も良くなります。
また、噛み合わせが改善されることで、食事などのストレスも軽減されるでしょう。
◎歯や歯肉の健康状態が治療に影響
成人矯正では、特に歯や歯肉の健康状態が治療結果に大きく影響します。
歯周病がある場合、まずはそれらの治療を優先し、口腔内の健康を整える必要があります。健康な歯肉としっかりとした歯の状態であれば、治療の成功率が高まります。
■成人矯正がおすすめの方
◎人前に立つ仕事をしている方
プレゼンテーションや営業、接客など、他者と対面する機会が多い職業の方には、矯正治療は大きなメリットとなるでしょう。
歯並びが整うことで、話す際の印象が良くなり、自信を持って対応できるようになります。
また、矯正器具も目立ちにくいものが増えており、見た目を気にせず治療を続けることが可能です。
◎ちょっとだけ治したい方
成人になってから、ほんの少し歯並びが気になる方も成人矯正は有効です。
特に前歯の軽い歯列不正や、部分的な噛み合わせの問題を短期間で改善したい方にとって、成人矯正は効果的です。
◎子どもの頃治療を受けられなかった方
子どもの頃に矯正治療の機会がなかった方でも、成人矯正によって歯並びを改善することが可能です。
歯並びを治したいと思っていても、成長期を過ぎてから治療を開始できるかどうか不安な方にとって、成人矯正は選択肢の一つです。
【それぞれの矯正方法の違い】
成人矯正は歯並びやかみ合わせを改善し、見た目だけでなく口腔内の健康も向上させることができる治療です。
年齢による上限はなく、20代から50代、さらにはそれ以上の方でも治療を受けることが可能です。
特に人前に立つ機会が多い方には、審美的な効果が自信にもつながるためおすすめです。
治療を検討している方は、ぜひ当院にご相談ください。