叢生とは、歯が重なり合ってガタガタと不規則に並んでいる状態を指します。
これはあごのスペースが不足しているために歯が正しく並ぶことができず、重なり合ってしまうことが原因です。
日本人の約80%が、この叢生に悩んでいるとされています。
叢生は、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや歯磨きの困難さからくる虫歯や歯周病のリスクを高めるため、適切な治療が必要です。
この記事では、叢生の治療法について解説します。
■叢生の治療法
◎ブラケット矯正による治療
ワイヤー装置を使用して行うブラケット矯正は、最も一般的な矯正治療の方法の一つです。
歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを渡すことで、歯を理想的な位置に動かします。
ブラケット矯正の大きなメリットは、高い精度で歯を移動させることができる点です。
特に複雑な歯並びや噛み合わせの問題に対して効果的です。
ワイヤー装置は、メタルブラケットやセラミックブラケットなど、様々な種類があります。
メタルブラケットは丈夫でコストパフォーマンスに優れていますが、見た目が気になることがあります。
一方、セラミックブラケットは目立ちにくく、審美的な面で優れています。
患者さまの希望やライフスタイルに応じて、最適な矯正装置を選択することができます。
◎インビザラインによる治療
インビザラインは、透明なマウスピースを使用する治療法で、見た目を気にせずに治療を進めることができます。
仕事の場面などで矯正装置を気にせずに過ごしたい方にとって、インビザラインは理想的な選択肢となります。
インビザラインは、患者さまの歯並びを精密に計測するために3Dスキャンを使用し、そのデータを基に個別にカスタマイズされたマウスピースを作製します。
これにより、それぞれの患者さまに最適な方法で歯を移動させることができます。
また、インビザラインは取り外しが可能です。
食事や歯磨きの際にマウスピースを外すことができるため、口腔内の衛生状態を良好に保つことができます。
■歯を抜く必要はある?
◎便宜抜歯(べんぎばっし)とは?
便宜抜歯とは歯のスペースを確保するために、特定の歯を抜く治療法です。
特に重度の叢生の場合には、便宜抜歯が有効な治療法となります。
抜歯することで残った歯が正しい位置に移動するスペースが確保され、矯正治療がスムーズに進むようになります。
便宜抜歯は、歯科医師が個々の患者さまの口腔内の状況を詳しく診断した上で、最適な治療計画を立てるために行われます。
必ずしも歯を抜く必要はないので「あごのスペースがない=抜歯」というわけではない点に注意が必要です。
抜歯の決定は慎重に行われ、必要に応じた最小限の歯を抜くことで、健康的な歯並びを目指します。
◎適切な治療計画の重要性
叢生の治療においては、患者さま一人ひとりに適した治療計画を立てることが重要です。
歯科医師は口腔内の状況や患者さまの希望を詳しくヒアリングし、最適な治療法を提案します。
便宜抜歯、ワイヤー装置によるブラケット矯正、インビザラインなど、それぞれの治療法にはメリットとデメリットがあり、患者さまのライフスタイルに応じて選択されます。
状態に応じて、一番メリットのある治療法を選択できるのがベストです。
【叢生はさまざまな治療法で治療が可能】
叢生は審美的な問題だけでなく、噛み合わせなどの機能面にも影響を及ぼすため、適切な治療が必要です。
必ずしも歯を抜く必要はありませんが、状況に応じて、便宜抜歯、ブラケット矯正、インビザラインなど、多様で最適な治療を選ぶことが可能です。
歯科医師と患者さまが協力して最適な治療計画を立てることが、健康で美しい歯並びを実現するための鍵となります。
叢生でお悩みの方は、電話・WEBからお気軽にお問い合わせください。