リテーナーは、矯正治療においてとても重要な役割を果たします。
矯正治療には、矯正期間だけではなく、保定期間という歯をその場に安定させる期間も含まれます。
この保定期間は、矯正治療の成否を分ける重要な期間です。
リテーナーと保定期間について解説します。
目次
■保定期間とは?タイミングはいつ?
◎矯正期間
矯正期間とは、マウスピースやワイヤーを装着し、実際に歯を動かす期間です。
マウスピース矯正ならマウスピースを付け替え、ワイヤー矯正ならワイヤーを締めることで歯を動かします。
実際に歯が動く期間で、痛みや歯の動揺も伴うため、矯正治療を行っている実感があるでしょう。
◎保定期間
保定期間は、実際に歯が理想の位置まで動いた後に行うものです。
矯正治療では、歯根膜という部分に力をかけることによって、歯槽骨の吸収と増生を起こし、歯を動かします。
この歯槽骨が安定するには、矯正期間と同じくらいの期間がかかるといわれています。
例えば6ヵ月の矯正期間なら保定期間も6ヵ月、3年の矯正期間なら保定期間も3年という形になります。
しかし、保定期間は実際に歯が動くわけではないため、治療を行っているという実感が少ないかもしれません。
しかし、ここで装置を付けないでいると、矯正治療が上手くいかない可能性があります。
■保定装置について
◎保定装置の形
保定装置には、プレートタイプ、ワイヤーを接着するタイプ、マウスピースタイプなどがあります。
保定装置として一番スムーズなのは、マウスピース矯正後の最後のマウスピースをそのまま保定装置として使うというものです。
◎保定の仕方など
可撤式の物は患者様ご自身で着脱、管理する必要があります。
また、最初の方こそ20時間程度の装着が必要でも、期間を追うごとに少しずつ装着時間を短くできる場合があります。
装着時間については歯科医師と相談し、時間を決めていきましょう。
ご自宅での時間の管理は患者様ご自身で行っていただく必要があります。
■後戻りを防止するには
◎保定期間をしっかり過ごす
保定期間できちんと保定を行わないと、後戻りを起こす可能性があります。
後戻りとは、一度は理想の位置に動いた歯が、再び元の位置に戻り、歯並びが悪くなってしまうことをいいます。
後戻りの原因にはさまざまなものがありますが、保定装置をきちんとつけていなかった場合そのリスクは大きなものになります。
◎癖などを除去する
後戻りを防止するには、癖を除去することも大切です。
片側噛みや頬杖などの癖によってならば日はすぐに変化します。
それらの癖によって歯並びが悪くなっていた場合、癖を除去しないと歯が再び元の位置に戻ってしまうケースがあります。
後戻りを防止するには癖の除去も並行して進めておく必要があります。
■後戻りが起こってしまうと
◎治療のやり直しになる
後戻りが起こってしまうと、治療がやり直しになってしまう可能性があります。
軽い修正で済めばまだよいのですが、大きくずれてしまうケースもあるため、一からやり直しのような大がかりな治療になってしまうことも考えられます。
そのなると、費用や期間がさらにかかってしまうため、後戻りを起こさないことはとても重要です。
【保定装置を正しく使用して後戻りを防止】
リテーナーとは保定装置のことを指し、矯正期間の後、歯をその場に安定させる役割を担っています。
歯槽骨の吸収と増生の関係から、歯が動いた後のこの保定期間をきちんと過ごすことがとても重要になります。
後戻りが起こると、治療を一からやり直しになる可能性があります。
リテーナーを正しく使い、保定期間の最後まで矯正治療だと考え、しっかりと過ごすようにしましょう。