インビザラインの普及で歯科医院では簡単に矯正治療が一定レベルで受けられるようになりました。
しかし本来矯正治療というのは、とても専門的な技術を必要とします。
たくさんある矯正歯科や矯正の情報からいったいどれを選べばいいのか、詳しく解説します。
目次
■矯正歯科の基準とは
矯正歯科には色々な基準があります。
矯正歯科も「標榜科目」に含まれています
歯科医院にはこの診療を行っていますということを伝えるための、標榜科目というものがあります。
小児歯科や口腔外科と並び、矯正歯科もこれに含まれています。
しかしこの標榜科目は「自由標榜制」というシステムを採用しています。
そのため極論を言えば、特に何の経験もなくても歯科医師免許さえあればこの科目を掲げることができます。
日本矯正歯科専門医機関が設置されました
標榜科目はその経験いかんに関わらず誰でも標榜できるため、少しでも信頼性のある矯正治療をしようと、矯正に専門的に関わる医師が複数の団体を立ち上げ、独自の制度でその団体を運営していました。
患者様側から見ると非常にわかりにくい制度だったため、日本矯正歯科学会は令和元年に 統一した専門医制度の構築を行いました。
「矯正歯科専門機関」が立ち上げられ一定の技術や経験がある矯正歯科医だけが登録できる「矯正歯科専門医制度」を設けました。
■どんな歯科医師がいつどのように診療しているのかが大切
矯正歯科はどのような標榜をしているかではなく、どのような医師が、どのように診療を行っているかで選ぶと良いでしょう。
認定医、指導医、臨床指導医がいる
新たに立ち上げられた矯正歯科専門医療制度では、認定医、指導医、臨床指導医という制度を取り入れ、一定の水準を満たした歯科医師だけがそれらを名乗れるようにしました。
そのため矯正歯科の選択で悩んだら、この「認定医」以上がいる歯科医院を選ぶとよいでしょう。
経験豊富で確実な技術を持った歯科医師の矯正治療を受けられるはずです。
矯正歯科医が常勤で勤務している
また矯正を行っていると標榜している医院でも、矯正歯科医が常勤でいないケースもあります。
例えば矯正の先生が来るのは週一回だけなどの場合、何かトラブルがあった時に困ってしまう可能性も考えられます。
矯正専門の歯科医が、矯正専門の治療を毎日行なっているような歯科医院だととても安心して通うことができます。
■注意するべき矯正治療
また最近ではアプリで矯正治療が行えるなどの矯正ブランドも軒並み多くなりました。
歯科医院で矯正治療を受ける時とどのような点が違うのでしょうか。
早い、安いが良いわけではない
矯正治療の広告では「何ヶ月以内にこれだけ安く」というような文言をよく見かけます。
確かに矯正治療は、金額も期間もかかることから、安く早く済んだら良いと思われるかもしれません。
しかし矯正治療はとても専門的な治療で、歯がどのように動くか、それが将来的にかみ合わせにどのような影響を与えるかについては、専門的な歯科医師がしっかり診ないと判断が難しい面があります。
そのため通院なし、アプリだけで相談とうたっている矯正治療には一定のリスクがあると考えた方が良いでしょう。
ゴールはどこなのかしっかり把握
例えば早く安く済んでも、もしその後トラブルが出てきてしまえば、お金も時間もまたかかってしまいます。
たとえ少し時間がかかっても、より良いゴールに到達できるほうが矯正治療は成功といえるでしょう。
きちんとした医師と話し、定期的な通院を行い、より良い矯正治療を受けられることをおすすめします。
【より良い矯正治療には専門的な医院を慎重に選ぼう】
矯正の技術は歯科医師によってさまざまで、マウスピース矯正のブランドも 多く溢れています。
その中でより良い矯正治療を行うためには、専門的に矯正を行っている歯科医院を慎重に選ぶ必要があります。