歯並びを整えたいけど、親には頼りたくないという思いから、アルバイト代を使って矯正治療を検討する学生が増えています。
しかし、矯正治療は保険適用外の自由診療であり、金額も決して安くはありません。
この記事では、学生が自分で矯正費用をまかなうことが可能かどうか、その現実的な課題と注意点について詳しく解説します。
目次
■矯正治療は自由診療、費用は高額になりがち
◎平均的な費用は数10万円〜100万円以上
矯正治療は保険のきかない自由診療のため、全額自己負担となります。
一般的な全体矯正では約70万〜100万円、部分矯正や前歯だけの矯正であれば、もう少し安価に抑えられる場合もありますが、それでも数10万円の費用がかかることを想定しておく必要があります。
◎アルバイト収入で支払うには計画が必要
学生の平均的なアルバイト収入は、月に5万〜8万円ほどといわれています。
仮に毎月5万円を矯正費用に充てるとすれば、60万円の治療費を支払うには1年以上の時間が必要になります。
一括で支払うのが難しい場合、医院によっては分割払いや毎月の支払いを調整できるところもありますので、事前に相談してみましょう。
■デンタルローンを使わない支払いは可能?
◎保証人が必要なことが多い
歯科医院によっては、外部の信販会社と提携してデンタルローンを提供しているところもあります。
分割払いができる便利な方法ですが、多くの場合、20歳未満の未成年者や学生だけでは契約できず、保護者の同意や保証人が必要になります。
親に頼らず全て自分で賄いたいという方にとっては、この方法は難しいかもしれません。
◎院内分割や月払い制度を選ぶ
一部の歯科医院では、医院独自の月払い制度や院内分割に対応している場合があります。
クレジットカードを使わずに毎月定額を現金や振込で支払える仕組みもあるため、バイト代で支払いたい学生にとっては現実的な選択肢になります。
ただし、契約前に手数料や支払い条件をよく確認しておきましょう。
■学生が陥りがちな安い矯正のリスクとは
◎格安矯正には理由がある
最近ではSNSやネット広告などで「月3,000円から始められる矯正」「総額10万円以下のマウスピース矯正」といった格安プランを目にすることがあります。
しかし、こうした低価格の矯正には注意が必要な部分があります。
総額の治療費が表示されていなかったり、診断料、再作製料などが別途かかったりする場合もあります。
◎歯科医師による診断が不十分なことも
特に安価なマウスピース矯正の中には、オンライン診療だけで完結するものや、歯科医師の診察がほとんど行われないサービスもあります。
矯正治療は見た目だけの問題ではありません。噛み合わせの不具合や歯の動きに異常があっても見逃される可能性があり、結果的に治療が失敗してしまうケースも考えられます。
◎後悔しないために確認したいこと
せっかく長い期間、お金をかけて行う矯正治療で後悔しないよう、以下の点をしっかり確認しましょう。
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・治療開始前にCTやレントゲンなどの精密検査があるか
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・担当医が最後まで責任を持って診てくれるか
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・総額の費用や追加料金の有無は明確か
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・必要に応じて通院できるか
このような情報を丁寧に公開している医院は、信頼できる傾向にあります。
【バイト代での矯正は不可能ではないが慎重に】
学生がバイト代で矯正治療を受けることは不可能ではありませんが、しっかりとした金額の把握と支払い計画が必要です。
安さだけに目を向けず、治療の質やサポート体制に注意して、将来後悔のない選択をしましょう。