
矯正治療において、親知らずは必ず抜かなければならないのでしょうか?
疑問に思う方も多くいらっしゃいますが、実際には、矯正のために必ず親知らずを抜歯しなければならないわけではありません。ただし、親知らずの状態や歯並びの症例によっては、抜歯が必要になるケースもあります。
この記事では、歯列矯正と親知らずの関係、抜くべきケースと抜かないケースについて詳しく解説します。
目次
■親知らずと歯並びの関係
◎親知らずとは
親知らずとは、永久歯の中で最も遅く生えてくる第三大臼歯のことです。一般的に17歳〜25歳ごろに生えてきますが、現代人は顎が小さい傾向があるため、まっすぐ生えてこないケースが多くあります。
横向きや斜めに生えてきたり、歯肉の中に埋まったままになったりすることも珍しくありません。
◎親知らずが歯並びを悪化させることがある
親知らずが生えるスペースが足りない場合、隣の歯を押すように力がかかることがあります。
この圧力が前方の歯並びに影響し、せっかく矯正で整えた歯が再び悪くなる原因になることがあります。特に前歯の歯並びが悪化する後戻りとの関連が指摘されているケースもあります。
■矯正治療で親知らずを抜くべきケース
◎スペースが不足していて歯並びに影響している場合
顎のスペースが少なく、親知らずが他の歯を圧迫している状態では、矯正治療の効果が出にくかったり、治療後の後戻りが起きやすかったりします。こうしたケースでは、適切なスペースを確保するために抜歯を検討する場合があります。
◎親知らずが横向きや斜めに生えている場合
横向きや斜めに埋まっている親知らずは、まっすぐ生えている場合と比べて隣の歯への影響が大きくなるケースがあります。
隣接する第二大臼歯の根を傷つけたり、清掃が困難になってむし歯や歯周病を起こしたりするリスクもあるため、矯正の有無に関わらず抜歯を検討すべきケースが多いです。
◎抜歯矯正でスペースを利用する場合
相対的に顎が小さくて歯が大きい場合、矯正では第一小臼歯などを抜いてスペースを確保する「抜歯矯正」が選ばれることがあります。
この時、親知らずが残っていると、奥歯が前に動く際の妨げになったり、将来的に抜歯したスペース方向へ押してくる可能性があるため、あらかじめ親知らずの抜歯をすすめられるケースがあります。
◎矯正後の後戻り防止
矯正治療が終わった後の保定期間中や、治療完了後に親知らずが生えてきた場合、歯並びが乱れるリスクがあります。後戻りを防ぐ観点から、矯正後に親知らずの抜歯を勧められることもあります。
■矯正治療で親知らずを抜かないケース
◎親知らずがまっすぐ正常に生えている場合
親知らずが顎のスペースに収まってまっすぐ生えており、噛み合わせにも問題がなければ、必ずしも抜く必要はありません。清掃がしっかりできていれば、そのまま残しておいても問題ないケースがほとんどです。
◎親知らずがまだ生えていない・埋まったままの場合
レントゲンで確認したときに親知らずが深い位置に埋まっていて、今後も生えてくる可能性が低い場合は、経過観察となることがあります。歯並びへの影響が確認されない状態であれば、無理に抜歯しないという判断もあります。
■親知らずの抜歯タイミングについて
◎矯正前に抜くケース
矯正開始前に抜歯することで、治療計画をスムーズに立てられます。腫れや回復期間を経てから矯正を開始するため、治療全体のスケジュールには少し余裕を持つ必要があります。
◎矯正中や矯正後に抜くケース
矯正の進行に合わせて、必要なタイミングで抜歯するケースもあります。また、矯正完了後に生えてきた親知らずが問題になってから抜くこともあります。いずれにしても、担当医と相談しながら患者さまに合ったタイミングを判断することが大切です。
【抜歯となるケースも多いが、正常な状態であれば残すこともある】
歯列矯正において、親知らずの抜歯が必須というわけではありません。スペース不足や斜め、横向きに生えているケースでは抜歯が検討されますが、正常に生えていれば残すケースもあります。
大切なのは、レントゲンなどで親知らずの状態をしっかり確認し、担当の歯科医師と相談しながら判断すること。
矯正治療を検討している方は、親知らずについても早めに診てもらうことをおすすめします。











