
歯並びが悪いと、見た目の印象だけでなく、むし歯や歯周病、噛み合わせのトラブルなどにも関係するといわれています。
実際に、80歳になっても20本以上の歯を保つことを目標とした「8020運動」に関する研究では、歯並びと歯の残存数の関係についても調査されています。
その結果、8020を達成した人の中に反対咬合(受け口)や開咬の方がいなかったという報告もあり、歯並びや噛み合わせが長期的な口腔健康に影響する可能性が示唆されています。
※参考:金子幸生ほか「8020達成者の歯にみられたcervical lesionについて」
この記事では、歯並びが悪いことで将来の歯の寿命にどのような影響があるのか、特に注意したい不正咬合の種類について解説します。
目次
■歯並びが悪いと将来歯を失いやすくなる?
◎むし歯や歯周病のリスクが上がる
歯並びが悪いと歯ブラシがすみずみまで届かず、歯垢(プラーク)が溜まりやすくなります。その結果、むし歯や歯周病のリスクが高くなる可能性があります。
歯周病は歯を失う原因として多い疾患のひとつであり、歯並びの乱れがある場合は長期的なリスクにつながることもあります。
◎噛み合わせの負担が偏る
歯並びが悪いと、特定の歯に強い力が集中することがあります。噛む力が偏ると、歯の摩耗や破折、歯周組織への負担が増え、将来的に歯を失う原因になることもあります。噛み合わせのバランスは、歯を長く保つために重要な要素です。
■研究から見た歯並びと歯の残存数
◎8020達成者の歯並びの特徴
冒頭でご紹介した研究では、8020達成者(80歳で20本以上の歯を保つ人)の歯並びを調査した結果、いくつかの特徴が見られました。
その中で、反対咬合(受け口)と開咬(奥歯を噛んだ時に上下の前歯が噛み合わない歯並び)の方は確認されなかったという報告があります。
また、過蓋咬合(噛み合わせが深い)は約8.8%、上顎前突(出っ歯)は約20.6%という結果も示されています。
この結果から、歯並びや噛み合わせの状態が歯の長期的な保存に影響している可能性が考えられています。
■特に注意したい歯並びの種類
◎反対咬合(はんたいこうごう)
反対咬合とは、下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせのことで、一般的には「受け口」と呼ばれています。
この状態では噛む力のバランスが崩れやすく、前歯や奥歯に負担がかかることがあります。また、噛み合わせが不安定になりやすく、顎関節に影響することもあります。
◎開咬(かいこう)
開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに前歯が噛み合わず、隙間がある状態です。食べ物を前歯で噛み切りにくくなるため、奥歯に負担が集中しやすくなります。
この状態が長く続くと、特定の歯に過度な力がかかり、歯の摩耗や歯周病のリスクにつながることがあります。
◎上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突とは、上の前歯や上顎が前方に突出している状態で、一般的には「出っ歯」と呼ばれています。
前歯が前に出ていることで、外傷による歯の破折や損傷のリスクが高くなることがあります。また、口が閉じにくくなることで口呼吸になりやすく、口腔内の乾燥によってむし歯や歯周病のリスクが高まることもあります。
◎過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合とは、上の前歯が下の前歯を深く覆いすぎている噛み合わせです。この状態では、前歯や顎関節に負担がかかりやすく、歯の摩耗や歯周組織へのダメージにつながることがあります。
また、噛み合わせが深く、下の前歯が見えにくくなるため、清掃が難しくなることもあります。
【歯並びを改善することは将来の歯を守ることにつながる】
歯並びの乱れは、見た目の問題だけでなく、口腔内の健康にも影響することがあります。噛み合わせを整えることで、歯にかかる力のバランスが改善され、むし歯や歯周病の予防につながる場合もあります。
矯正治療は見た目を改善する目的だけでなく、長期的に自分の歯を守るための治療としても大切です。
歯並びが悪いと感じている場合や、噛み合わせが気になる場合は、一度歯科医院で相談してみることをおすすめします。将来の歯の健康を守るための選択肢として、矯正治療を検討してみるのも良いでしょう。
気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。











