
いびきは、疲れているときや飲酒後に一時的に出ることもありますが、慢性的なものは放置すると睡眠の質を下げるだけでなく、睡眠時無呼吸症候群などの健康リスクにもつながります。
実はこのいびき、鼻や喉の問題だけでなく、歯並びやあごの位置に原因があることもあるのです。
ここでは、いびきと歯並びの関係、そして矯正治療によってどのような改善が期待できるのかを詳しく解説します。
目次
■いびきの主な原因とは
◎気道が狭くなること
いびきは、寝ている間に舌や軟口蓋が気道を狭め、呼吸の際に空気が振動して起こる音です。つまり、いびき=空気の通り道が狭くなっているサインともいえます。
◎いびきのよくある原因
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・肥満による喉まわりの脂肪の増加
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・鼻づまり
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・口呼吸の習慣
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・睡眠時の姿勢(仰向け寝で舌が喉の奥に落ちる)
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・飲酒や喫煙による筋肉のゆるみ
これらの要因に加えて、近年では歯並びやあごの発育のバランスもいびきの一因として注目されています。
■歯並びといびきの関係
◎歯並びが悪いと気道が狭くなる?
出っ歯や受け口、またはあごが小さい小顎(しょうがく)の方などは、舌の位置が後方に下がりやすく、喉の奥が狭くなる傾向があります。
その結果、寝ている間に舌が気道をふさぎやすくなり、いびきが起こっている可能性もあるのです。
◎口呼吸がいびきを悪化させる
歯並びが悪いと唇がうまく閉じられず、無意識のうちに口呼吸になっている方も多く見られます。口を開けたまま寝ると舌が下がり、喉が狭くなることでいびきが出やすくなります。
◎子どもの歯並びといびき
成長期に口呼吸や指しゃぶりの癖があると、上あごの発育が妨げられて歯列が狭くなるケースがあります。
その結果、鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸→いびきの悪循環に陥ることも。歯並びの乱れはいびきだけでなく、集中力の低下や日中の眠気など、発達にも影響を与えることがあります。
■矯正治療でいびきが改善する理由
◎気道を広げることができる
矯正治療で歯列やあごの位置を整えると、舌の位置も自然に正しい位置(上あごの裏側)に収まりやすくなります。
特にあごが後退しているタイプの方は、矯正によって下あごを前方に誘導することで気道のスペースを広げ、呼吸がしやすくなる効果が期待できます。
◎鼻呼吸がしやすくなる
歯並びやあごのバランスを整えることで、唇を自然に閉じやすくなり、鼻呼吸が習慣化しやすくなります。鼻で呼吸することで、空気が加湿され、いびきの原因となる喉の乾燥や振動が軽くなる可能性があります。
◎口腔周囲筋のバランスが整う
矯正治療に合わせて行うMFT(口腔筋機能療法)は、舌、唇、頬などの筋肉の使い方をトレーニングする療法です。
このトレーニングを併用することで、舌が正しい位置をキープできるようになり、睡眠時に気道がふさがるのを防ぐ効果が期待できます。
◎子どもの成長期の矯正は予防効果も
子どもの場合、あごの成長を利用した矯正治療を行うことで、気道の発育を促し、いびきや口呼吸の改善、予防が期待できます。
プレオルソやマイオブレイスといったマウスピース型装置は、歯列だけでなく呼吸や舌の動きを良くする効果もあるため、いびきの予防につながります。
【歯並びといびきの意外な関係】
いびきの原因は、鼻や喉だけでなく歯並びやあごの位置にも関係していることがあります。
歯列や噛み合わせを整えることで、舌の位置や呼吸の通り道が確保され、いびきが軽くなる可能性があります。
特に、口呼吸やあごの小ささが原因となっている場合は、矯正治療が効果的な選択肢となるケースも。睡眠の質を上げ、健康な呼吸を取り戻すためにも、いびきが気になる方は一度歯科医院で相談してみましょう。










