インビザライン矯正中に歯肉から出血すると、患者さまによっては不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この出血は、口腔内の健康状態や矯正装置の影響など、さまざまな要因によって引き起こされます。
普段は出血しない方でも、矯正中は歯肉がデリケートな状態になることがあり、突然出血が見られることもあります。
ここでは、インビザライン矯正中に歯肉から出血する主な原因とその対処法、そして健康な歯肉の特徴について詳しく解説します。
目次
■インビザラインで矯正中に歯肉から出血する原因
◎歯肉炎や歯周病
歯肉からの出血で一般的な原因は、歯肉炎や歯周病です。
これらの症状は、歯垢(プラーク)が歯と歯肉の間に蓄積し、炎症を引き起こすことで発生します。
特にインビザラインで矯正中の場合は、マウスピースの装着によって歯の表面が覆われるため、唾液による口腔内の自浄作用が低下しやすくなります。
その結果、歯肉炎や歯周病のリスクが高まります。
歯肉が腫れたり、歯磨きの際に血が出たりする場合は、早めに対応することが重要です。
矯正中は歯周病にならないよう、普段よりも念入りに口腔ケアを行うことが大切です。
◎歯の移動による負担
インビザラインでの矯正では、マウスピースを段階的に交換することで少しずつ歯を移動させていきます。
移動中の歯が周囲の組織を引っ張ることで歯茎に負担がかかり、出血することがあります。
特に、歯の動きが大きい場合や矯正の初期段階では、一時的に炎症を起こしやすくなるため、出血しやすくなることがあります。新しいマウスピースに交換した直後に出血が増えたりする場合は、歯の移動による影響が考えられます。
通常、この出血は一時的なもので、数日以内に落ち着くことが多いですが、長期間続く場合や痛みを伴う場合は、歯科医師に相談することが大切です。
◎歯肉や粘膜に傷ができる
マウスピースが歯肉に適切にフィットしていない場合、装置と歯肉の間で摩擦が生じ、歯肉を傷つけてしまうことがあります。
特に、新しいマウスピースに交換した直後は、装置がしっかりフィットするまでに違和感を感じることが多く、慣れるまでの間に歯肉がこすれて出血することもあります。
また、装着時にマウスピースを無理に押し込んでしまうと、歯肉を圧迫し、傷つけてしまうことがあります。
◎ブラッシングの強さ
矯正中は口腔内の清潔を保つために、普段よりも丁寧なブラッシングが必要になります。
しかし、力を入れすぎると歯肉を傷つけ、出血の原因となることがあります。
■健康な歯肉の特徴
◎健康な歯肉の状態を知っておくと安心
健康な歯肉の色は、淡いピンク色で、均一な色合いをしています。
また、歯にしっかりと密着し、引き締まった形状で触れても痛みはありません。
一方、炎症を起こした歯肉は、赤く腫れたり、触れると痛みや出血を伴ったりすることがあります。このような症状が見られる場合は、早めの対処が必要です。
■歯肉から出血した際の対処法
◎口腔ケアの見直し
歯肉からの出血が見られた場合は、まず口腔ケアの方法を見直しましょう。
正しいブラッシング方法で清掃することが重要です。
特にインビザラインを外した際には、口腔内を丁寧に清掃し、歯肉の状態をチェックしましょう。
◎インビザラインのフィット確認
マウスピースが歯肉に傷を作っていると感じた場合は、歯科医師に相談し、装置の調整を行ってもらいましょう。適切なフィット感を得ることで、歯周組織への負担を減らせます。
◎定期的な歯科検診
矯正中は、普段よりも歯科検診を定期的に受けることが大切です。
クリーニングや早期の治療を受けることで、歯肉炎や歯周病の進行を防ぐことができます。特に、出血が続く場合は、歯肉の健康状態をチェックし、必要に応じて適切な処置を受けるようにしましょう。
【検診とケアで出血に対応】
インビザラインでの矯正中に歯肉から出血することは、口腔内のトラブルのサインである可能性もあり、放置すると症状が悪化する可能性があります。
適切な口腔ケアと定期検診を心がけ、健康な歯肉を維持しましょう。