矯正治療は、矯正装置をつけて歯を動かした後こそが大切になります。
後戻りとは何か、後戻りを起こさないためにはどうすればいいのかについて解説します。
目次
■後戻りとは何か
歯が元の状態に戻ろうとすること
後戻りとは、矯正で動かした歯が元の位置に戻ろうとすることをいいます。
歯は日頃から同じ位置に固定されているわけではなく、歯槽骨の破壊と造成を繰り返しながら動いています。
そのため一旦正しいと思われる場所に動かしたとしても、その後の過ごし方によってはまた元の位置に戻ってしまうことがあります。
この後戻りを起こさないためにはさまざまな注意点や方法があります。
保定期間とは何か
一般的に矯正期間は歯を動かすための期間です。
その後、矯正期間同じ長さの期間、保定期間というものが設けられています。
保定期間は歯を動かすことはしませんが、そのままの位置で歯が固定するのを待つためにマウスピースやリテーナーを入れて過ごします。
矯正したての状態は、まだ歯槽骨周りの組織がきちんとそれに固定されていないため、歯はとても動きやすい状態です。
この期間保定をして、きちんと過ごすかどうかによって矯正の成否が変わります。
■後戻りの原因とは
後戻りするかしないかについては、保定装置の使用が大きく関わっています。
そして、その他にもさまざまな原因があります。
保定が難しい時は相談を
保定の方法もさまざまあります。
プラスチックのプレートがついたワイヤー装置を入れるもの、最後の矯正に使用したマウスピースをそのまま入れるものなど、その方の口腔内の状況によって歯科医師が選択します。
可撤式と固定式があるので、装着時間を守ったり、自己管理が難しかったりする方は可撤式がおすすめなケースもあるでしょう。
装着時間は、矯正から時間が経てば経つほど少なくできることもあるので、歯科医師に相談してみましょう。
もし保定が負担に感じてしまう場合も歯科医師に相談し、自己判断で止めたりしないようにしましょう。
非常に強い癖がある
非常に強い口腔周りの癖がある方は、後戻りしやすい傾向にあります。
もともとの歯並びの悪さがそのような癖によって作られていた方だとなおさらです。
このような方は、矯正治療と一緒に悪癖の除去を並行して行なっておく必要があります。
しかし矯正治療が終わった後も癖がが治らないと後戻りの強い原因となってしまいます。
成長による後戻り
顎は12歳頃に成長のピークをむかえますが、その後もゆっくりと成長します。
子供の頃に矯正を終えたお子様は、その後の成長により何らかの後戻りを起こすケースもあります。
お子様の矯正後は特に注意して見守ってあげましょう。
■保定期間中の過ごし方
保定装置をきちんと使用する
後戻りの防止にはまずは保定装置の使用が大切です。
保定期間中は決められた時間きちんと保定装置を装着しましょう。
もし口腔内に痛みがあるなど保定が難しいケースがあれば歯科医院に相談しましょう。
定期的に歯科医院に通う
保定期間中はきちんと定期的に歯科医院に通い、歯の後戻りが起きていないか歯科医師と共にチェックしましょう。
歯がきれいに並んだからといって安心してしまうと、後戻りのリスクがあがります。
その後も定期検診で清掃を行うだけでなく、 レントゲンや口腔内写真などで 経過を観察する必要があります。
■もし後戻りを起こしてしまったら
再治療になることもある
もし後戻りを起こしてしまった時は、再治療になる可能性もあります。
後戻りの度合いやかかる期間によって、新たな費用がかかってしまうこともあるため注意が必要です。
早目の対応が大切
歯は突然元の位置に戻るわけではありません。
少しずつ時間をかけて元の位置に戻ってしまうため、後戻りが起こっていることを早めに発見して対処することが必要となります。
【後戻りの防止には保定が大切】
後戻りの防止には、何よりも保定期間を正しく過ごすことが重要です。
長い矯正期間を終えてようやく歯がきれいに並ぶと装置を外してしまいたくなることもあります。
しかし、長い期間きれいな歯並びで過ごせるように、保定期間中も決められた期間や時間を守って装置を使用し、きれいな歯並びを維持しましょう。