近年では、歯に対する意識の向上にともない、日本でも矯正を始める人が増えています。20代~30代の女性を中心に人気のインビザライン矯正をはじめ、キレイラインなどの各種マウスピース矯正ブランドで矯正を始める人も急増中です。
なぜ、こんなに矯正を始める人が増えたのでしょうか?意識の向上以外にも理由がありそうです。
今回は、歯科医師の立場から「矯正を始める人が増えた理由」について考察してみます。
目次
■矯正を始める人が増えている理由
日本国内で矯正治療を始める人が増えている背景には、以下のような理由があると推測されます。
①インビザラインによるマウスピース矯正の技術の進化
②インビザラインのフォロワーとなるマウスピース矯正ブランドの増加
③日本人の歯に対する美意識の向上
インビザラインによるマウスピース矯正の技術の進化
インビザラインとは、透明なマウスピース(アライナー)を歯に装着して歯並びを整えるマウスピース矯正です。インビザラインは現行のマウスピース矯正の中でもトップクラスの技術を誇るマウスピース矯正として知られています。
近年、矯正人気が高まっている要因のひとつに、目立ちにくく、重度の歯並びの乱れにも対応できるインビザラインの存在があります。
インビザラインはこれまでのマウスピース矯正の概念をくつがえした、革新的な技術を持つマウスピース矯正です。インビザラインの登場により、「目立つ」「痛い」ワイヤー矯正から『目立ちにくい』『痛みが少ない』『重度の歯並びにも対応できる』マウスピース矯正が可能になりました。
≪インビザラインの特徴≫
・透明で目立ちにくい
・痛みが少ない
・マウスピースを外せる(食事や歯磨きをいつもどおりにできる、大切なイベントでマウスピースを外せる)
・通院回数が少ない(6週間に1回でOK)
・お手入れがカンタン
・重度の歯並びの乱れにも対応可能(※)
(※)顎の骨格異常による歯並びの乱れや多くの抜歯が必要な重度の歯並びの乱れには
インビザラインを適用できないケースがあります。
インビザラインのフォロワーとなるマウスピース矯正ブランドの増加
近年では、インビザライン以外のマウスピース矯正ブランドが続々と登場しています。
・キレイライン
・ピュアライン
・hanaravi
・Oh my teeth
など 多数
これらのマウスピース矯正ブランドは、インビザラインと比べて安価な治療価格を設定しているケースが多いです。安価な価格設定により「安く歯並びを治せるマウスピース矯正」として、上記のようなマウスピース矯正ブランドで矯正治療を始める人が増えています。
〔インビザラインと安価なマウスピース矯正ブランドの違い〕
近年、雨後のタケノコのように続々と安価なマウスピース矯正ブランドが登場しています。しかし、2010年代後半(2018年頃~)から登場したマウスピース矯正ブランドとインビザラインには「診断・治療システム」に明確なレベルの差が存在します。
インビザラインは1999年にアメリカのアライン・テクノロジー社によってサービスを開始しました。20年以上の歴史を持つインビザラインは、言わば、マウスピース矯正の“代表的”“父親的”存在です。
インビザラインが1999年にサービスを開始して20年目を迎える2018年前後から、インビザラインの権利切れにともない、インビザラインのフォロワー的な安価なマウスピース矯正ブランドが登場し始めました。
これら新興のマウスピース矯正ブランドの中には、一見するとインビザラインと似ている物もあります。しかし、見た目は似ていても、マウスピース矯正の技術や機能(フルデジタル式による矯正治療)、診断システムや治療技術の性能の高さ(重度の歯並びの乱れにも対応できる(※))、蓄積された膨大な診断・治療データなど、現在でも、インビザラインに匹敵するマウスピース矯正ブランドは存在しません。このため、当院では上記の新興のマウスピース矯正ブランドは取り扱わず、インビザラインのみを採用しています。
もちろん、特定のマウスピース矯正ブランドがインビザラインより劣っており、すべての面でダメ、ということはありません。安価なマウスピース矯正ブランドでも軽度~中程度までの歯並びの乱れであれば治療を適用でき、歯並びを治すことが可能です。
2010年代後半から登場したマウスピース矯正ブランドは多くがインビザラインのシステムを踏襲(模倣)しており、独自性は見られないのが現状です。この点からも、インビザラインほどの高い技術と診断システムを持つマウスピース矯正ブランドはほとんど存在しない(マウスピース矯正における圧倒的なトップ=インビザライン)、と言って差し支えないかと思います。
(※)顎の骨格異常による歯並びの乱れや多くの抜歯が必要な重度の歯並びの乱れには
インビザラインを適用できないケースがあります。
日本人の歯に対する美意識の向上
これまで、日本では「歯医者は歯が痛くなったら行くところ」という認識が一般的でした(現在もこのような認識の人は少なくありません)。
昔は「歯を治してもらう・歯の痛みを取ってもらうところ」だった歯科医院ですが、現在、日本における歯科医院は「歯を綺麗にしてもらえるところ」「むし歯や歯周病にならないようにするところ(予防歯科に対する意識の向上)」、これら2つの新たな認識が加わりつつあると感じています。
認識が変わった理由としては、TVやネットに登場する芸能人やセレブの影響が大きいです。TVやネットのSNSなどを通じ、芸能人やセレブの真っ白に整った歯を見て、「私もあんな綺麗な歯になりたい」という願いから、ホワイトニングや矯正治療など、歯を美しくする治療を受ける人が増えています。
ネットの登場によってアメリカの歯科情報やスウェーデンなどの歯科先進国の情報に触れられるようになった点も、日本人の歯に対する美意識の向上に関係していると考えられます。
お子さんの将来のために、という理由で小児矯正を受けさせる保護者様も増えてきています。私自身、患者様への歯科治療を通じて、日本人の“歯の健康や美しい歯に対する意識の底上げ”が着実に広まってきていると感じています。
■ブラケット矯正はどうなの?
ブラケット矯正は幅広い症例に適用できます
現在、インビザラインを中心とするマウスピース矯正に注目が集まっていますが、従来のブラケット矯正(ワイヤー矯正)にもたくさんのメリットがあります。
ブラケット矯正は歯を動かす力が強く、軽度~重度の歯並びの乱れまで、幅広い症例に治療を適用できます。インビザラインでは対応できない重度の歯並びの乱れや歯を抜く本数が多い抜歯矯正もブラケット矯正であれば対応可能です。
ブラケット矯正は矯正装置がギラギラ光って目立ちやすい、矯正装置の装着時や調整時に痛みを感じやすい、矯正治療が終わるまで装置を取り外せない、などのデメリットもあります。ブラケット矯正を受ける際には、以下の矯正方法や矯正装置をご選択いただくことでデメリットを軽減できます。
・舌側(裏側)矯正にする(矯正装置を歯の裏側に取り付けるため目立ちにくくなります)
・セラミックやプラスチック製の矯正装置にする(白色や透明の素材で矯正装置を目立ちにくくします)
当院では、舌側矯正およびセラミック・プラスチックなど各種の矯正装置に対応しています。「目立ちにくいブラケット矯正」をご希望の方は歯科医師までご遠慮なくご相談ください。
【当院のインビザライン治療のご紹介】
栄信会グループ ホワイトエッセンス広島駅前歯科では、ブラックダイヤモンドプロバイダーの資格を持つ歯科医師との連携によるインビザライン治療を行っています。
ブラックダイヤモンドプロバイダーとは、年間401症例以上のインビザライン治療の実績がある歯科医師にのみ与えられる資格です。重度の歯並びの乱れなど、難症例に対しても矯正症例5,000例以上の治療実績があるブラックダイヤモンドプロバイダーとの連携のもと、治療を行います
「歯並びの乱れを治したい」
「目立たない・痛みの少ない矯正治療を始めたい」
「どのマウスピース矯正を選べば良いかわからない」
など、歯並びの乱れや矯正方法でお悩みの方は当院までお気軽にご相談ください。相談は無料です。ご予約はお電話・WEBにて承っております。